日本語教育能力検定試験、音声対策!解答テクニックをご紹介!

日本語教育能力検定試験、音声対策!解答テクニックをご紹介!

フリーランスオンライン日本語教師のEmiです。

今回は、苦手だった【音声問題】を克服し、R5年度日本語教育能力検定試験に初受験で合格できた私自身の経験から、音声問題の解答テクニックをお話していきたいと思います。

「発音上の問題」を答える設問に強くなれる!

今回ご紹介するテクニックを身につければ、音声問題で、学習者の発音上の問題が何か問われる設問に強くなれます!具体的には…

たくさん べんきょうしました。」という文。

《流れる音声》たくさん べんきょうすぃました。

し → すぃ

上の例は、毎年、日本語教育能力検定試験の試験II問題3の冒頭で紹介される例題です。

一般的な対策テキスト、公式過去問等でも同じ設問が掲載されています。

このような問題に対して解答するためのテクニックをお話していきたいと思います。

今回は、解答に必要な知識と、書けるようにすべき母音と子音の表についてお話します。

目次

解答に必要な知識は?

では、試験II問題3を解答するためにまず必要な知識はなんでしょうか?

母音の舌の位置母音 a i u e o 舌の高さと前後の位置 簡単に図で覚えられます!
調音点両唇、歯茎、歯茎硬口蓋、歯茎軟口蓋、声門 など名称と示す位置を覚えてください!
調音法鼻音、破裂音、破擦音、摩擦音、はじき音、半母音名称と意味を覚えてください!
断面図の見方断面図内の 唇、歯茎、硬口蓋 などの位置図の示す場所を覚えてください!

①~④について、効率的な覚え方を順番にお話していきます。

①母音の舌の位置

母音の発音に関して、舌の位置を示すこのような▽の図を見たことがあるという方も多いと思います。

簡単なので、覚えてしまいましょう!

最終的にはこのような簡略的な図を書けるようにしてください

写真の三角の▽図は、アルクの試験対策テキストで学び、自分なりにアレンジして簡略化したものです。

調音点 ③調音法

調音点と調音法については、「それぞれの名称と意味するところ」をまず覚えるところからですが、先ほどの「母音の舌の位置」と同様、テキストを使って覚えておきましょう!

調音点・調音法の内容理解について言うと、「ヒューマンアカデミーの赤本」で勉強することをおすすめします。いろいろなテキストの中で、一番と言っていいほど解説が詳しいからです。図と言葉による解説がとても分かりやすいです。

日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第5版 (EXAMPRESS) [ ヒューマンアカデミー ]
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断面図の見方

こちらは、まず、どの子音がどの断面図かを判断できるところまでいかなくて大丈夫です!

一般的な口腔断面図を見て、どの位置がどこを指しているか、ということが分かるようになったらOKです!

ここに関しては、私はアルクのテキストP.172の図が一番分かりやすかったです!

ここまで覚えることが多かったですが、ここまで覚えてしまえば、ここからは、実際に問題をどう解けばいいのかというお話に移っていきます。

正答を導く表を作ろう!

母音は簡単

母音に関しては、前述の通り、このような▽の図を書けるようにしてください。

子音はこの表を書けるように

子音に関しても、このような表を書けるようにすると正答を導き出すことが容易になります。書く手順を次に説明します。

※この表は自分なりにアレンジしているので、発音記号やカタカナの部分に抜けがあったり、簡略化されていたりします。自分の弱点などに合わせてアレンジすることをおすすめします。

子音の表の書き方を詳しく説明します。
まずは縦横それぞれ6本の線を書いておきます。

子音の表 書き方手順

横列:調音点 縦列:調音法

横列に調音点: Li…(Lipsの略)両唇、…歯茎、はかた…歯茎硬口蓋、かた…硬口蓋、なん…軟口蓋

縦列に調音法…鼻音、まさつ…摩擦音、はさつ…破擦音、はれつ…破裂音、はじき…はじき音

私は、調音と調音のどちらか分からなくなることがあったので、横に「点」・縦に「法」と追記していました。

音を記入

次に、表に発音記号やカタカナで音を記入していきます。

鼻音の行:m、 n の次は、歯茎硬口蓋と硬口蓋を鼻音を示す 「び」としています。

破擦音の行:はかた(歯茎硬口蓋)の所は、 チ・ジではなく、あえてチュ・ジャ としました。理由は…

正)くえ → 誤)ちゅくえ

正)っし → 誤)じゃっし

のような頻出問題に即座に対応できるようにするためです。

私はこの判別が特に苦手だったので、このような表記にアレンジしました。

正)くえ → 誤)ちゅくえ 、 正)っし → 誤)じゃっし

表を見ると、どちらも調音法は同じです。違っているのは調音点で、歯茎(は)で発音されるべき音 ts、dz が歯茎硬口蓋(はかた) チュ、ジャ で発音されている、つまり、どちらとも「調音点の誤り」ということが一目で分かります。

もう一問、例を挙げてみます。

正)ダイヤモンド → 誤)イヤモンド

正)ダイヤモンド → 誤)イヤモンド

今度は、調音点は同じです。違っているのは調音法で、破裂音 d で発音されるべき音がはじき音 r で発音されていると、表からすぐ分かります。「調音法の誤り」ですね。

どうでしょうか。ここがクリアになると、少し苦手意識が薄れてくるのではないでしょうか。

喉の開きを記入

喉の開閉(鼻腔への通路)については、調音法ごとに変化するので、調音法の鼻音のところに追記しています。

鼻音:のど開

※鼻音以外の調音法は、喉が閉じています。

お手持ちのテキストがあれば、是非、今、口腔断面図の図表を見て確認してみてください。
参考)ヒューマンアカデミー赤本 P.483 / アルク対策問題集 P.173

テキストを見てどうでしたか。鼻音に関して、口腔断面図の横列は全て喉の部分が開いていますね。

また、試験の際に口腔断面図が選択肢に並んでいる場合、まず喉が開いている図は〇印を付けておくといいです。それらは鼻音(調音法)のいずれかの音です。

調音点の隙間ありを記入

調音点に隙間があるかないかについては、摩擦音のみ隙間がが少し開いているので、調音法の摩擦音のところに追記します。

摩擦音:すき間

※摩擦音以外の調音法は、調音点での閉鎖があります。つまり、空気の通り道のどこかに行き止まりがります。

摩擦音の狭いすき間についても、以下のページで必ず見ておいてください。
参考)ヒューマンアカデミー赤本 P.483 / アルク対策問題集 P.173

子音の表の完成です!!

まとめ

今回は、解答に必要な知識と、書けるようにすべき母音と子音の表についてお話ししてきました。

!まず覚えるべきこと!

母音の舌の位置母音 a i u e o 舌の高さと前後の位置
調音点両唇、歯茎、歯茎硬口蓋、歯茎軟口蓋、声門 など
調音法鼻音、破裂音、破擦音、摩擦音、はじき音、半母音
断面図の見方断面図内の 唇、歯茎、硬口蓋 などの位置

書けるようにする母音の図

書けるようにする子音の表

これらをなぜ書けるようにするかというと、実際の試験でも、短い時間の中でこれらの図・表を書いてほしいからです。

音声問題では、問題の説明、例題など、毎年同様の内容が冒頭部分で流れる時間があります。

その時間を使って、問題用紙の開いているところに、素早くこれらを書いてしまいましょう!

今回ご紹介したテクニックを使って、次回の記事ではさらにいろいろな例で解答までのステップを解説していきます。

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