日本語教育能力検定試験 独学ノートの内容を公開!何を書いていた?

日本語教育能力検定試験 独学ノートの内容を公開!何を書いていた?

フリーランスオンライン日本語教師のEmiです。

今回は、日本語教育能力検定試験に独学で合格し、オンライン日本語教師となった私が、日本語教育能力検定試の勉強で使ったノートの内容を公開したいと思います。

ノートを使ってまとめている人の、実際のノートの中身を見てみたい。

ノートを活用して勉強したいけど、何をまとめればいいのか分からない。

といった方のお役に立てる情報です。

どんなことを書き、まとめていたのか、使用していた実際のノートのページを、複数の画像とともに公開します!

目次

何のためにノートをまとめたか?

私は「日本語教育能力検定試験」の勉強の中でノートを活用していました。

どのような目的でノートを使っていたかというと、

  • 視覚的に情報を整理して理解するため。
  • 何度も間違える問題を書いて覚えるため。
  • 本番の試験前に見返す資料作りのため。

などです。

きれいにまとめるということではなく、情報整理の過程としてのノート・本番に向けての資料となるものでした。

元々、公開を想定して書いていたノートではなく、殴り書きで汚い文字ですが、少しでも参考になればと今回複数の写真を公開します。

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基本は対策テキストを使った勉強

前提として、まず、私は以下のテキストを使用して試験対策を行っていました。

これらのテキストを使っての勉強と並行して、常にノートをまとめていました。

使ったテキスト

使ったテキスト

過去問は3年分

では次から実際にどの分野をノートにまとめていたかを見ていきましょう。

教授法

教授法は、一つ一つの名称とその内容(どんな教授法か)を覚えるだけではなく、時代の変遷ともに、どのような教授法が盛んに行われていたか、という一連の流れをまとめていきました。

こうしてまとめてみると、やはり教授法というのは一つ一つを切り離しては考えられないものだということがよく分かります。

例えば、

「文法訳読法」→批判→「ナチュラルメソッド」の誕生

「行動主義心理学に基づく教授法」→批判→「ヒューマニスティックな教授法」の誕生

のように、ある教授法に対して批判が生まれ、その批判に基づいてその批判された点をカバーする新たな教授法が誕生する、という流れがあるからです。

この流れを整理してみると、それぞれの教授法の特徴をとらえやすかったです。

教授法は形式は違えど毎年必ず出題される頻出パートですので、しっかりと覚えておきましょう。

日本語教育事情

日本語教育事情の分野からは、文化庁のサイトを参考に、最新の数字に注目してノートに書き出しました。

具体的には、文化庁の日本語教育実態調査等のページを参照し、以下の最新の数字を確認しました。

  • 国内の日本語学習者数と出身国(1位~5位)
  • 留学生の人数と出身国(1位~5位)
  • 外国人児童生徒の数が多い都道府県
  • 日本語指導が必要な外国人児童生徒の母語(1位~4位)
  • 国内の日本語教師数
  • 国内の日本語教育機関数とその割合
  • 技能実習生数と出身国(1位~3位)
  • 海外の日本語学習者数
  • 海外の日本語教育機関数
  • 海外の日本語教師数   など。

これらの数字は「知っているか・知らないか」で得点できるかどうか決まってしまうので、絶対に取りこぼしがないように押さえておきたいポイントです。

各数字や出身国の順位等は繰り返し何度もノートを見返すことを心がけました。

試験直前の追い込み時期にも、とても役に立ちました。

在留資格、日本語教育に関わる団体の名称・各団体が取り扱う資格試験などもテキストで何度も間違えたところだったので、あわせて書き出しておきました。

テキストが最新の情報を反映していない場合もあります。文化庁のサイトで最新情報を確認しておきましょう。

日本語教育史

日本語教育史は私にとってはとてもややこしく、覚えにくいと感じた分野でした。

アルクのテキストの比較的初めの方のページで扱われています。なかなか覚えられず、出鼻をくじかれた感じがして、少しモチベーションが下がったのを覚えています。

アルクのテキスト

アジアの国・人の名前がたくさん出てくるだけでなく、教授法や~主義・~式、などセットで覚えるべき言葉も多いです。

国・人名・関連ワードを書き出し、セットで視覚的に情報を確認することで少しずつ覚えることができました。

二重貯蔵モデル

二重貯蔵モデル:短期記憶と長期記憶という考え方、をはじめとした言語知識の獲得の分野は、様々な記憶の仕組みを理解し、多くの関連ワードを覚えなければならない範囲です。

一つ一つの仕組み自体は難しくないのですが、似たような用語が多いためか、選択肢に同様の用語が並んでいると解答に迷う、ということがありました。(ワーキングメモリ、記憶ストラテジー、精緻化リハーサル、維持リハーサル、宣言的記憶、意味記憶、エピソード記憶、手続き的記憶 など)

用語の意味が覚えにくかったものは、その用語が表すものの例も合わせて書いて覚えるといいです。 例:手続き的記憶→knowing how (技能ややり方) ex:自転車に乗れる 英語が話せる 

学習ストラテジー

学習ストラテジーの分野に関しては、テキストでは一旦サラっと学んでしまい、自分自身の中ではそれほど記憶にも残らない分野だったように思います。

しかし過去問を解いてみると、意外にも頻出の分野でした。不正解が続いたため、ノートに改めてまとめたという経緯があります。

テキスト等で見る表の形で出題されればまだ分かりやすいのですが、文章の穴埋め式で出題されると途端に用語や分類が曖昧になりがちです。

直接ストラテジー・間接ストラテジーの中にそれぞれ3つのストラテジーがあるので整理して覚えましょう。さらに、コミュニケーションストラテジーについてもまとめて覚えておくといいです。

異文化適応過程

Uカーブ・Wカーブのところは、テキストでも用語と図を用いて説明されていることが多い分野です。

Uカーブ・Wカーブの形自体は覚えやすいと思いますが、このカーブの形に基づいて、異文化適応の段階も順を追って明確にしておく必要があります。

ハネムーン期・ショック期・回復期・安定期が、Uカーブ・Wカーブのどの部分にあたるのか、書きながら覚えました。

この分野も頻出なので、Uカーブ・Wカーブに関してどのようなアプローチで出題されても必ず得点できるように、知識を定着させておきたいところです。

テキストで目にする図を、自分でも実際に書いてみると理解が深まります。

苦手な用語

ここまで分野ごとにどんなところをノートにまとめていたか、を見てきました。

それ以外にも、基本的には苦手と感じたところは同様にひたすら書きながら覚える、ということを繰り返していました。

具体的には以下のページの例のように、とにかく「用語を覚える」ため、そして「似た用語同士の区別をつける」ためにランダムに書き出し、繰り返し見返しました。

今見返してみても、これらの用語は苦手でなかなか覚えられなかった用語だったという記憶がよみがえります。

特にカタカナ語は、「あ、これは前に出てきて覚えたはずだけど…」と、テキストの索引を再度確認する、ということが多かったです。そういう用語に関して、ノートに積極的に書いていくようにしました。

ダイロクシア、ダイクシス、ヴォイス、アスペクト、パラ言語、メタ言語

用語⇔用語の意味、何を表すのかをどちらのヒントからでも導き出せるように、覚えていきました。

ディクトグロス、ディクトコンポ、スキャニング、スキミング、リキャスト、プロンプト、ルーブリック

フェイス、膠着語、屈折語、孤立語、抱合語

エンパシー、エポケー、コミュニカティブコンピテンス、ピジン

内発的動機付け、外発的動機付け、達成型バイリンガル、獲得型バイリンガル、サブマージョンプログラム、イマージョンプログラム、c(スモールシー)文化、C(ラージシー)文化

(セファールと日本語能力試験のレベル対応)

このように苦手用語をまとめたページは、当日の試験直前や休み時間にもサッと確認することができ、精神的に落ち着くことができました。

テキストも持参しましたが、あれこれどのページも気になってしまうよりは、自分の苦手を短時間で効率的に再確認することができるノートがあったほうが、自分にはよかったと思います。

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まとめ

以上、日本語教育能力検定試の勉強で使ったノートの内容を一部公開しました。

独学ノートの内容、いかがだったでしょうか。

私自身、とあるブログで独学ノート公開記事を見たことがきっかけで、試験に向けてモチベーションをグッと高めることができたという経験があります。

その方はとてもしっかりとノートをまとめていた方で、分かりやすく、かつ、様々な内容を深い理解を持って書いていて、試験に対して真摯に向き合っているんだな、熱意を持って独学されているな、ということが見て取れました。

そのノートの記事を読んで、自分自身の学習量の足りなさを痛感した瞬間でもありました。

中途半端で表面的な勉強しかしていなかった私は、そこから気持ちを入れ替え、自分なりにノートを活用しながら勉強していくことができたのでした。

ノートの活用の仕方は人それぞれですが、今回の記事が「日本語教育能力検定試験」「日本語教員試験」に向けて勉強する方にとって少しでも役に立ったら幸いです。

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