今回は、2児の子育て中の主婦の私が、初受験の日本語教育能力検定試験に合格した勉強法についての【後編】をお話していきたいと思います。
【前編】の記事
合格した時の自己採点結果
子育てと主婦業に追われる日々の中、独学で試験勉強をすること4か月。初受験で無事に合格することができました。
合格証が届いた時には、本当に嬉しかったです。頑張りを見守っていてくれていた子ども達も一緒に喜んでくれました。
【前編】ではヒューマンアカデミーの赤本についてお話しました。【後編】では平行して使用したアルクのテキストついて紹介したいと思います。
アルクのテキストを購入
【前編】記事でお話した通り、4か月間、ヒューマンアカデミーの赤本を軸に準備をしていましたが、実は赤本を購入するよりも前に購入していたテキストがありました。
それが、アルクのテキストです。赤本の下に写っている黄色いテキストです。
大きさは赤本と同じですが、赤本よりも薄くて軽いテキストです。カフェなどに持参しての勉強にもってこいのサイズ感です。
アルクのテキスト。黄色いカラーが特徴。
キーワード問題+演習問題+解説
アルクのテキストと赤本の各分野の構成は以下のようになっています。
赤本 = 教科書的に解説 + 演習問題
アルクのテキスト = キーワード問題 + 演習問題 + 解答・解説
キーワードの穴埋め問題は、赤本にはない問題形式であり、より実際の試験問題に近い形となっていると言えます。(実際の試験は穴埋め部分は選択式でマークシートになります。)
また、先ほども触れた通り比較的薄いテキストなので、とても取り組みやすいです。毎日開いてどんどん進めていけるようなテキストです。
こちらのテキストで勉強を開始し順調に進めていきました。
ただし、この一冊で合格を目指せるか考えた結果、私の場合は赤本での総合的・徹底的な勉強も必要だと感じたので、後日、赤本も購入することにしたのでした。
私のように遠い昔に養成講座で学んだ経験しかない場合、赤本のような教科書的なテキストも必須だと感じました。
※知識を既に持っている方にとってはこのアルクのテキスト一冊でも合格を目指せるかもしれません。実際に使用した方のレビューを見ると、アルクのテキストと過去問を解いて一発合格した方もいらっしゃるようでした。
(参考までに、以下は定番の赤本です。)
ヒューマンアカデミーの赤本
赤本とアルク2冊使いで良かったこと
赤本とアルクのテキストの2冊で対策していくことにしたのですが、結果的にこの2冊で良かったと思ったことは、以下のような点です。
- 様々なパターンの出題に取り組めた
- アルクのテキストで理解不足を感じた点を赤本で補えた
- 頻出問題、定番問題を実感できた
- 苦手範囲は2冊を行ったり来たりして慣れることができた
- やる気が出ない時に「どちらか好きなほうをやればいいや」と思えた
- 2冊やったという自信につながった
アルクは音声問題の解説が分かりやすい
赤本とアルクのテキストの2冊使いでのメリットは上にあげた通りですが、私が受けた最大の恩恵は、特に「音声・記述」対策でした。
「音声」問題は、実際の試験では40問出題されていて、出題の形式は毎年決まったものです。ですから、いかに多くの問題に触れ決まったパターンに慣れるかが大きなカギとなると思います。
赤本や過去問の音声問題に取り組むことはもちろんですが、やはりプラスアルファで対策することが合格への近道だと感じました。
私は、音声問題は解説がなかなか理解できず、一部苦手な設問形式がありました。
そんな私にとっては、赤本よりアルクのほうが断然理解しやすかったのが、音声問題独特のあの断面図や音声記号などの表の解説です。
アルクの音声問題は本当にやってよかったです。本試験の自己採点で75%取れていました。元々音声問題は苦手だったので、75%まで持ってこられたのはアルクのテキストのお陰です。
アルクは音声問題が分かりやすい
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記述問題も数をこなす
「記述」問題についても、やはり数をこなすという意味で、赤本と過去問以外にアルクに取り組んでいたことが結果としてとても良かったです。
実際の試験での出題テーマは多岐に渡っているので対策というのも難しいのですが、音声問題同様、とにかく色々な問いに触れることが対策につながると思います。
過去問を使った対策については以下の記事で詳しく紹介しています。
過去問を使った対策方法
どうする?記述対策
- 初めは赤本やアルクの記述問題の模範解答を書き写す。
- 文章の構成のパターンをいくつか頭に叩き込む。
- 初級、中級、上級の学習者とはどういったものなのか、ノートにまとめながら頭の中でも整理する。
- 実際に赤本やアルクの記述問題を解答してみる。
模範解答の書き写しから開始
私の場合、初めからいきなり解答するのではなく、何も考えずまずは「模範解答を書き写す」ということから始めてみました。
日頃パソコンで文章を書くことはあっても、鉛筆を使って用紙に400字もの字数を書くということ自体、全くしていなかったからです。
正しい解答用紙の書き方(例えば、行の最後の 。「 」などの書き方)のルールも確認しながら、自分の手で書くという感覚を確かめておきました。
文章の構成パターンを知る
文章の構成にはいろいろなパターンがあります。どのテキストを使ってもいくつかの構成の例というのが必ず示されていると思います。
- 自分の意見を述べる
- 根拠を示す
- 2に対する反論とそれに対する意見を述べる
- 自分の主張を繰り返す
上にあげたのは一つの例にすぎませんが、何パターンかの文章構成を頭に入れておき、どんな問題がきてもその中から書きやすいパターンを使って解答できるように準備しておくと焦らずに書くことができます。
学習者のレベル別特徴を整理
記述問題では、学習者のレベルが条件として提示されることが多くあります。例えば、
- 日本語教育機関で、初級の学習者の~
- 大学におけるスピーチがテーマの授業で~
- 外国人社員の研修を担当している~で、
などです。
そこで、初級・中級・上級レベルが「聞く」「話す」「読む」「書く」という項目においてそれぞれどのような段階であるのか、どのような指導がより必要なのか、といった整理をノートでしながら頭の中でも整理しました。
例えば、「中級」の「話す」の項目では、
- よりなめらかで自然な会話を目指す。
- 社会生活に応じて言葉を使い分ける待遇表現を習得していく。
- ロールプレイ、スピーチ、プレゼンテーションなど。
こうしておくことで、記述問題を解答するうえでの一つのヒント・支えを植え付けることができます。
レベル別の学習目的や、レベルごとの発達段階、またそのレベルに有効とされる指導法などを文章に盛り込むことができると、より説得力を持った根拠を示すことができると思います。
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実際に解答してみる
事前準備が長かったのですが、ここまでやって、やっと実際の問題を解答する段階に進みました。
解答時間は1題およそ30分を目安に取り組みました。
自分の解答が模範解答とかけ離れていても問題ありませんし、2つ意見から自分の意見を選ぶタイプの設問の場合、自分の主張はどちらを選んでもいいです。
また、基本的な原稿用紙の使い方、文字数、表現、文体といったところももちろんポイントの対象となるようですので、ここは勿体ない間違いがないように、対策の時点でしっかりと理解し、慣れておくといいと思います。
まとめ
以上、【前編】【後編】の2回に分けて日本語能力検定試験の勉強法についてお話してきました。
私の場合、4か月という比較的短い期間で試験勉強をして、なんとか合格することができました。
試験は毎年10月に行われますので、これから受験を考えている皆さんは是非一日でも早く対策を始めてみてくださいね。
過去問を使った対策については下の記事で紹介していますので、是非読んでみてください。
過去問を使った対策方法
音声問題が分かりやすいアルク
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アルクのテキストセットについて
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